官吏の反対概念を循吏といいます。
政治も法律も社会の安寧、人民の幸福のためにあるという立場
人民に不便ならば天子の詔勅も伝統的な法制も改正せざるを得ない
とするものです。
天子とは、また時代錯誤な言葉ですけれど、この『循吏』という言葉については
今日に至って全く使われる機会がなくなってしまった…。
もちろん、『官吏』という言葉が悪いということではありません。
悪い官僚を指して、獄吏という言葉がありますから。
そもそも『官吏』は韓非子や荀子の法家の概念からすれば
人間の性悪説に立っているけれども、正しい法制や網をもってすれば
性悪な愚民を正しく導くことができるというものですから。
人間の性悪説でいえば、悪法を作るのも人間なんですけれども。